わきが手術の種類
わきが手術の種類も、時代と共に変化しています。
傷跡が目立たない方法や、治療効果が高い方法などあります。必ず事前に専門医のカウンセリングを受け、その結果とご自分の程度を鑑みて、納得できる治療法を選択しましょう。
以下に代表的な手術方法をあげますので、カウンセリングを受けられる前の参考にしてください。
インフォレーゼ法
インフォレーゼ法は、ホルマリン液に浸したガーゼをワキに当て、
電流を流すことで、アポクリン腺やエクリン腺などの汗腺口を閉じる治療方法です。インフォレーゼ法の場合は広範囲に一度に処理できるため、治療時間が短くてすむみ比較的安全な治療法です。
しかしながら、わきがの元であるアポクリン腺を除去する方法ではなく、 汗腺を一時的に塞いでしまう手法のため、ワキガ臭を抑えられる効果は短く3週間程度です。
そのぶん皮膚へのダメージは少なく、比較的軽度のわきがの人に対する期間限定の治療としては有効です。
治療法 | アポクリン腺の除去法 | 手術跡 | 効果 | 備考 |
インフォレーゼ法 | しない | なし | 短期間 | エステでも可能 |
電気分解法
電気分解法は、汗腺口(毛穴)に針を差し込んで高周波電流を流すことにより、
毛根と一緒にアポクリン腺の分泌口をふさぐ方法です。電気分解法でのワキガ治療は、毛穴の1本1本の毛根を処置していくため、終了までの時間が長いのが特徴です。 しかも、アポクリン腺を直接破壊する方法ではないため、ワキガの強い人の治療法ではありません。
治療法 | アポクリン腺の除去法 | 手術跡 | 効果 | 備考 |
電気分解法 | しない | なし | 短期間 |
※針を使用する脱毛法は、医療機関でのみ実施可能です。 また、病院で処置する場合は局所麻酔を使用できますが、エステでは麻酔は認められないため 多くの場合痛みを伴います。 エステでは滅菌処理が徹底していない可能性もあるので衛生上の問題も気になるところです。
電気凝固法
電気凝固法は、毛根から数ミリ離れた皮膚に針をさし、そこに高周波電流を流すことにより毛根を焼き抜き取る方法です。毛根の除去と同時にアポクリン腺や皮脂腺も一部破壊できるため、ワキガや多汗症にも効果的がありますが、 アポクリン腺の除去は行わないため、汗腺類はしばらくすると再生しふたたび分泌を始めることになります。
電気凝固法にも、アポクリン腺を含めた小さな範囲にまとめて通電し凝固してしまい、 アポクリン腺を破壊するワキガ治療に応用した方法もあります。 この方法では、脱毛を目的としないため、男性で脇毛を残したい人や陰部の治療にも対処可能です。
治療法 | アポクリン腺の除去法 | 手術跡 | 効果 | 備考 |
電気凝固法 | 破壊。残る可能性大 | なし | 小 |
ポドックス法
ポドックス法は、汗を分泌させる神経を麻痺させる薬品を注射することにより、わきが臭を軽減させるものです。
わきに注射をするだけなので手術の必要がなく、簡単に汗の分泌を抑えることができます。
汗の量を抑えることにより、汗の拡散を防いで結果的にわきがの臭いも抑える作用があります。なお、ポドックス法は、エクリン腺の活動を、3ヶ月から6ヶ月ほど停止させる作用をもっており、多汗症の治療に効果があるといわれています。
治療法 | アポクリン腺の除去法 | 手術跡 | 効果 | 備考 |
ポドックス法 | しない | なし | 小 |
マイクロレーザー法
マイクロレーザー法は、ワキガや多汗症の原因となるアポクリン腺に直接レーザーを照射することで破壊する方法です。
直径1ミリ程度のカニューレを皮下に挿入し、レーザー照射するファイバーをとおして照射します。
治療時間が短く治療後すぐに帰宅することができ、また傷跡が目立たないのが特徴です。しかしながらアポクリン腺が残る可能性があるため、ワキガの強い人の治療法ではありません。
治療法 | アポクリン腺の除去法 | 手術跡 | 効果 | 備考 |
マイクロレーザー法 | 破壊。残る可能性大 | 微 | 小 | 熟練度に依存 |
超音波法
超音波法は、超音波を使用してアポクリン腺を取り除く方法です。
ワキの下を1cm程度切開し、細い管状の超音波発生器を皮下に挿入することで、
超音波の振動を直接あたえて汗腺類を破壊します。そして、超音波によって破壊された組織は超音波メスに連結された吸引器により吸い取られていきます。 超音波によるワキガ治療は、特定の周波数を与えることで、血管や神経を傷つけずにアポクリン腺のみを破壊することが可能です。
男性で脇毛を残したい人や陰部の治療にも対処可能です。
治療法 | アポクリン腺の除去法 | 手術跡 | 効果 | 備考 |
マイクロレーザー法 | 破壊。残る可能性大 | 小 | 小 | 熟練度に依存 |
吸引法
吸引法は、吸引器に金属の棒(カニューレ)を取り付け、
ワキガの原因となるアポクリン腺を掻き取りながら吸い取ってしまう方法です。皮膚には小さな穴を開けるだけなので、傷跡が小さく手術後の回復が早いのが特徴です。
吸引法は、電気凝固法やマイクロレーザー法と同じく、アポクリン腺を直視で除去する処方ではないため、 組織を完全に吸引するのは難しく、担当医の熟練度合いに左右されやすい治療方法です。
治療法 | アポクリン腺の除去法 | 手術跡 | 効果 | 備考 |
吸引法 | 吸入。残る可能性大 | 微 | 小 | 熟練度に依存 |
削除法
削除法のワキガ治療手術は、
わきの下を1cm程度切開し、小さなローラーと剃刀がついた特殊な治療器具で皮下組織を削除、吸入していく方法です。皮下組織を広く薄く削除するため色素沈着しやすいことがデメリットです。
治療法 | アポクリン腺の除去法 | 手術跡 | 効果 | 備考 |
削除法 | 削除。残る可能性中 | 中 | 中 | 熟練度に依存 |
掻爬(そうは)法
掻爬法は、漢字のとおり皮下組織を掻き出す方法です。わきの下を数センチ切開し、そこからキュレットと呼ばれるスプーン状の器具を挿入し、 ワキガ臭のもととなるアポクリン腺を掻き出す方法です。
アポクリン腺を直視で除去する処方ではないため、組織を完全に削除するのは難しく、 担当医の熟練度合いに左右されやすい治療方法です。
治療法 | アポクリン腺の除去法 | 手術跡 | 効果 | 備考 |
掻爬(そうは)法 | 掻き出し。残る可能性大 | 中 | 中 | 熟練度に依存 |
剪除(せんじょ)法
剪除法は、わきがに対して最も効果が高い方法と言われ、広く行われています。剪除法は、ワキの皮膚を3〜4cm切開し、皮膚をひっくり返して、 ワキガの原因となるアポクリン汗腺を直接目で見て確かめながら取り除く方法です。
皮下組織を広く切除するため色素沈着しやすいことがデメリットですが、 アポクリン腺を直接目視で確認しながら除去するため、治療効果が高い方法です。
治療法 | アポクリン腺の除去法 | 手術跡 | 効果 | 備考 |
剪除(せんじょ)法 | 除去。残る可能性小 | 中 | 大 | 熟練度に依存 |
手術することは、体にキズを残すことになりますし、また高額な費用と完治するまでの時間が必要です。
事前に病院のカウンセリングを受けて、十分に納得した上で治療(手術)を受けてください。